『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』 を観ました。
これ、もし同じ素材で日本のテレビ局あたりが作ったなら、全く違ったものになるのでしょう。「トラブルが発生するが、解決」みたいなドラマを仕込みつつ、マイケルの死で盛り上げようとするのでは。
でもこの映画は、あくまで「ライブのメイキング映像」であり、ライブのリハーサルの様子を、ある種淡々と繋いでいます。出演者やスタッフの生の声だけで、ナレーションもありません。
それでも、この映画が感動的なのは、『本物』だからでしょう。一流のプロによる本物があります。
マイケルは、もちろん凄いわけです。ガンガン歌って踊りつつ、全体も見ていて、細かいところまで指示を出す様子は圧倒的で。でも、そのマイケルの注文に即座に応えるスタッフも凄い。本当に、その道の一流のスタッフなのでしょう。マイケルが凄い人だから、凄いキャストやスタッフが集まって、凄いものが作られるわけですね。
スタッフから「じゃあ、マイケルはどうしたいのか」と聞かれたりするのですが、彼の基本理念は「ファンに喜んでもらいたい」の一点であり、ブレがありません。筋金入りのエンターテイナーです。
マイケルを引き合いに出すのは、僭越極まりないのですが、僕も一応、「人様に喜んでもらえるものを作る」仕事をしています。スケジュールだの雑用だのに追われて、つい忘れがちになるのですが、基本を思い出させてもらいました。
また、信頼できるスタッフといっしょに、いいものを作り上げていくぜ、みんなでがんばるぜ、という「熱さ」も必要なんだよなーと。熱意が無いといいものなんて作れないし、仲間と熱意を共有できるのが最強だから。
マイケルは、常に人に喜んでもらいたい、元気をあげたい、と考えてきた人ですが、確かに、この映画から元気をもらいました。
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