「社内向けデモのために労力を使う」というと、あまり生産的ではないような感もあるわけですが、そういうのが重要なこともあるんですよ、というお話。
開発って、「基本的にやらないといけない」という部分と、「これをやると面白いものになる」という部分があり、いくら前者をきっちりやっても、後者の部分が無ければ、商品としては魅力が無いものになってしまいます。それでは台無しってものです。
タイトなスケジュールでやっていると、どうしても前者の比重が高くなってしまうわけで、後者をやるパワーを残すには、前者の量を減らすしかないでしょう。
では何を減らせばいいのか。信頼性やセキュリティなどに影響するところは、もちろん手を抜けません。減らす候補しては、「従来もやっていたからやる」「他社もやってるからやる」という、いわば惰性の部分が、まず挙げられます。
でも往々にして、そういう”惰性の部分”が最初に仕様が決まって、開発も粛々と進んでいたりします。全体を見て優先度を付け、クリエイティビティを発揮する余地を残す、という観点が必要だと思うのですが。
せめて自分のチームには、”惰性の部分”の仕事の比率を下げたいわけですが、そのために必要なのは、「これやると面白いから、他を後回しにしてでもやるべき」ということを上の人に認めされることで、それにはデモを作って見せるのが一番です。たとえ完成度が低くても、モノがあると無いでは説得力がまったく違いますから。
それで開発の方向性が認められれば、プロジェクトの優先度が上がり、”惰性の部分”を後回しにする大義名分が立ち、いろいろやりやすくなるわけですね。
ここで、「たかがデモ、されどデモということで」などと締めるのは、猛烈にありがちなので避けたいところですが、ここまで書くのに疲れてしまって、クリエイティビティを発揮させる余地が残ってません。
たかがデモ、されどデモということで…
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