昨日、”トータル・フィアーズ”のDVDを見ました。アメリカで核テロが行われる話で、原作は、トム・クランシーの”ジャック・ライアンシリーズ”のひとつ、”恐怖の総和”です。
ただ、原作とはかなり違いますね。まず原作の敵役はアラブのテロリストですが、映画はヨーロッパの極右勢力になっています。
原作は、核テロリズムとイスラム問題について緻密に描写されていて、十数年前にこれを書いたのは先見の明があったと思いますが、そこがまずスッパリ抜け落ちています。
原作では、自分の技術を証明したいという妄執にとりつかれた東欧出身の核科学者が、テロリストに協力して水爆を作り上げていく描写に、多くのページが割かれていて、このリアリティが怖さに繋がっていましたが、ここもバッサリ省略されています。
重要な伏線である、ライアンと国家安全保障担当補佐官との確執も完全に省かれています。このため、ストーリー展開、 −特に、核のボタンを押すかどうか大統領や首脳が悩むシーンの説得力− が不自然になっているようです。
しかしそれでも、このDVDは観てよかったと思います。音声の3ch目に収録されている、監督と原作者のトム・クランシーによるオーディオコメンタリーが最高なので。
「原作を無視された、トム・クランシーです」という一声から始まり、その後も逐一、「この部分はデタラメだ」とか「こんなことはありえない」とか斬りまくり。とても愉快だし、クランシーの軍事知識の深さがよくわかります。
彼は軍隊経験は無く、研究者というわけでも無い、ただの軍事オタクなんですが、その道を極めた末、今は米軍やCIAから助言を求められるほどだそうで。
初めて肉声を聞きましたが、知的でユーモアのある魅力的な人ですね。右翼だけど。
トム・クランシーのファンは、このDVDは見るべきだと思います。本編はどうでもいいのでコメンタリーを。
どうせなら「渚にて」の映画版(END OF THE WORLDだっけ?)を見ましょうよ
SGIマシンで動く潜水艦、潮風に靡く鼻毛、後ろ向きに走るカメラマンの映りこみなど
見所盛りだくさんですよ・・・
投稿情報: fukasawa | 2005年8 月 8日 (月) 02:45
END OF THE WORLDもSUM OF FEARSも見ましたよー。
トム・クランシーの本は読んでないんですが、
映画のせいで嫌いになってるというか。
ハッ!?これって福井敏晴…と同…じ…
投稿情報: manking | 2005年8 月15日 (月) 02:11
これはリメイク版の話? 3時間もあるらしい。鼻毛見るために3時間は長いな。
投稿情報: トヲル | 2005年8 月16日 (火) 01:18
やや、コメントを書いたら、それまでどうやっても見えなかったmankingさんのコメントが出現。
クランシー本は、一応読んでみるべきですよ。ベストセラー作家だけのことはある。ただ、初期の作品はもう古いけど…
入門編としては、レインボーシックスあたりをどうぞ。ゲームもあるし。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4102472126/250-3441424-2376253
投稿情報: トヲル | 2005年8 月16日 (火) 01:32