我が家に50インチテレビがやってきました。ソニーの KDF-50E1000 で、いわゆるリアプロです。特にリアプロにこだわりがあるわけではないのですが、諸般の事情で破格値で入手できたので。
ソニーのリアプロといえば、新型のA2500シリーズが素晴らしいそうですが、僕が買ったのは旧型であり、SXRDではないし、フルハイビジョンでもありません。でもこれまで使っていたのが、9年前の安物ブラウン管テレビ(29インチ)なので、アウストラロピテクスからクロマニヨン人になったくらいの進化だと言えます。自分でもよくわかりませんが、とにかく2011年以降もテレビが見られそうです。
リアプロの特性なのか、フルハイビジョンではない(720p)せいか分かりませんが、ハイビジョンソースでのバキっとエッジの効いた"高精細感"には欠ける気がします。でも、これはこれでナチュラルで、映画のスクリーンぽい感じではないかと。RGBサブピクセルではないことも、その理由の一つかもしれません。
DVDで”恋におちたシェイクスピア”や”ダビンチコード”などを見ましたが、暗いシーンでも階調が良く出ていると思いました。
ちなみに、これまでDVD鑑賞にはフロントプロジェクタであるサンヨー LP-Z3を使っていたのですが、このリアプロのほうが画質は良いですね。階調といい、フォーカスといい。画面の大きさでは負けますが、そのぶん近くによればさほど遜色無いことがわかったので、Z3はとっととオークションで売ってしまいました。(意外といい値で売れた…)
リアプロは視野角が狭いと言われますが、たしかに狭いです。左右はけっこう大丈夫なんですが、上下はすごく狭い。スクリーンの裏側にあるカマボコ型レンズで光を左右に拡散させているので、原理的に仕方ないのです。
でもこれは、店頭ではすごく不利ですね。お客さんは普通は立っているので上から見ることになり、暗くてムラのある悲惨な画になってしまいます。リアプロが日本で流行らない理由の一つなんじゃないでしょうか。日本人は店頭での見栄えを重視するので…
奥行きが40cmあり、液晶やプラズマよりも厚いですが、両端は薄いので、部屋のコーナーに置くぶんにはまったく問題ありません。そもそもテレビ台の奥行きが、ビデオなどを入れるために40cm以上ありますから。
画面は液晶よりは暗いですが、僕はそもそも暗めが好きなので、充分だと思えます。ただ、窓の明かりが画面に反射するのが、暗い絵の場合は気になります。ある程度仕方ないですが、液晶のほうが原理的に反射光には強いかもしれません。
水銀ランプを使っているので、起動は遅いですね。明るくなるまで30秒くらいで、安定するには1分くらいかかります。
ファン音は気になりません。ファンが付いてるのに気づかなかったくらいで。
まとめると、やはりリアプロは特殊なテレビで、万人にお勧めとは言えないのでしょう。どんな条件でも手軽にテレビが見たいのであれば、液晶がいいと思います。写真など静止画を高精細で鑑賞する場合も、液晶のほうが綺麗でしょう。一方、暗めの部屋で映画をじっくり見るのがメインであれば、リアプロは考慮に値するでしょう。いちばん"映画っぽい画質"のテレビだと思うからです。
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