私の家のキッチンは、タカラスタンダードというメーカーのもので、表面がホーロー加工されているのが特徴です。ホーローの何が良いかというと、掃除が簡単で、経年変化しにくいことですね。ガラスのコップは、手荒に使っていても長年きれいですが、ホーローも同じようなものです。
普通のキッチンの表面(天板やシンクは除く)は、アクリルなどの樹脂や、樹脂系の塗装になっています。これらは新品の時はきれいなのですが、汚れがついたり時間が経つことで、表面が劣化していき、当初の光沢は失われて戻りません。
両者の違いは、”無機質”か”有機質”か、ということです。ホーローは無機質で、しかも非常に安定なガラス質なので、周囲のモノとはほとんど反応せず、したがって何年も経っても変化しません。
一方で有機質は、化学的に活性が高いので、酸素や大気汚染物質や油汚れなどと反応して別の物質に変わってしまう(つまり劣化してしまう)し、そこが高温だったり紫外線があったりすると、さらに促進されます。
本題は、キッチンではなくてクルマのことなんですが、クルマのコーティング加工というものがあります。”ペイントシーラント”などが有名ですが、新車時にコーティングしておくと、水洗いだけでピカピカになり、塗装を保護する働きがある、というものです。
今の車は、新車のときに5万円近くかけてペイントシーラント加工をしていて、効果は期待通りだったものの、持続力は期待はずれでした。青空駐車だと、一年持つか持たないかくらいのもののようですね。コーティングの成分は、ポリマーなどのいわゆる樹脂(有機質)なので、雨に含まれる大気汚染物質や紫外線によって、劣化していくようです。
次のクルマはどうしようかなぁ、と考えていて、コーティング層が無機質なら長持ちするだろうに、とふと思いつき、ググってみるとあっさり見つかりました。”ガラス系”と言われるコーティング剤です。
これらは、施工するとコーティング層がガラス質になることをうたっています。効果は半永久的とか5年保障とか言っており、本当にガラス質になるのであれば、それくらいの耐久性はあっても不思議は無い、と思えます。
種類はいろいろあるのですが、メジャーブランドは”クオーツガラスコーティング”と”アークバリア21”のようです。前者は施工範囲が広い(ホイールやエンジンルームもOK)という特徴があり、後者はコーティング膜が安定するのが速く(1週間くらい)、標準のメンテナンスキットがある、ことが特徴のようです。他は大差無さそうで、むしろ施工店の腕に左右されるようですね。
ガラス系コーティングは、私が5年前にクルマを買ったときには、おそらくまだ無かった(あるいはほとんど知られていなかった)ので、新しいモノなのでしょうけど、技術そのものは、半導体ウエハーに絶縁膜を作るために古くから使われているものだとか。これをクルマのコーティングに転用することを思いついた人は、金持ちになれたんでしょうね。
しかし、これがほんとうに額面どおりの効果があるのであれば、それこそキッチンとか、家具とか家電製品とかに使っても良さそうに思えます。だれか商売を始めてみては如何でしょうか。そのときは私にライセンス料として10%下さい。
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