「バンダイとナムコが経営統合」のニュースから、なんとなくおもちゃ業界の話題になり、その流れでタカラのサイトを見ていたら、「エアーホッグス サイバーホーク」というおもちゃを発見しました。圧縮空気を動力にして、翼を羽ばたかせて飛ぶというおもちゃです。
「これは素敵だ。今日は快晴だし、ぜひこれを買って飛ばそう!」と急に思い立ち、近所のトイザラスに買いに行ったのですが、売っていませんでした。ガッカリ。
しかし、なにかを飛ばしたいという気分が盛り上がっていた私は、「期間限定特価」という言葉に引かれて、タイヨーというメーカーの「LR−1」という電動ラジコン飛行機を買ってしまいました。値段は 2,990円なり。
ほんとに飛ぶのかね?と不安になりますが、箱を開けて中身を見ると、発泡スチロールに色を塗っただけ、みたいなチャチな作りで、さらに不安は増します。
しかし、組上げてみると、主翼の上半角や尾翼の直角など、けっこう精度は高く、侮れないかも、とも思いはじめました。
んで、昨日飛ばしに行ってきたのですが、結論から言えば、あまりまともには飛びませんでしたよ。
私は、かつてもっとちゃんとした(失礼)ラジコン飛行機に凝っていたことがあるので、操縦技術は問題ないと思います。敗因は風ですね。どうやら、風には極端に弱いようです。
この機体は、実はラダーやエレベータといった動翼がありません。上下はモーターのON/OFFで制御して、左右(ヨー)は左右のモーターの推力の差で制御することになっています。
動翼を模型に組み込むには、高価なサーボモーターや、複雑で華奢なリンケージが必要ですから、おもちゃラジコンには難しいものがあるのでしょう。
でも残念ながら、モーターによる左右(ヨー)制御には、致命的な欠点がありますね。実際に飛ばしてみて、よくわかりました。
飛行機が離陸するときは、風上に向かう必要があります。電動飛行機のような、パワーに余裕のない機体では特にそうです。
逆に言えば、ちゃんと風に立てて(風上に向いて)いさえすれば、エンジンパワーに見合った分だけ、機体は必ず上昇します。風がモーターより強いと、地上に対して後ろに進むこともありえますが、飛行機にとっては対気速度が重要なので、知ったことではありません。対気速度さえあれば、翼はちゃんと揚力を発生するし、動翼は制御に必要なモーメントを発生します。
しかし、今回のおもちゃラジコンには動翼がなく、左右方向の制御力(ヨーモーメント)は、左右モーターの推力の差の分しか発生しません。
動翼であれば、風が強ければ、それに比例してヨーモーメントも大きく発生するので、風に耐えることができます。一方、モータの推力は、風には比例しませんから、風が強くなるとその影響に埋もれてしまいます。いったん風に煽られて機首がそれてしまったら、どうやっても再び風上に向けることができませんでした。
これは飛行機械としては、まずい設計だと言えます。つまりこれは所詮「おもちゃ」であって、実際の飛行機の原理をスケールダウンした「模型」ではないということなんでしょう。そういうモノだと諦めて、風が無いときに再チャレンジすることにします。
ドルニエかランカスターか(ランカスターは4発だったね)
流体力学 はるか昔の話だなぁ!
昔の君の部屋にはまだ一機残っているけど、復活の日は来るのかな?
投稿情報: bambookopter | 2005年5 月 7日 (土) 21:07