ジュール・ベルヌといえば、H.G.ウェルズと並んで、元祖SF作家と言われますが、この「アドリア海の復讐」はSF色は薄く、普通の冒険小説です。
シンプルな復讐譚(酷い目に合う→復讐する)であり、伏線はミエミエで、今やこんなコッ恥ずかしいストーリーは書けないよなと思いますが、そこがむしろ新鮮ですね。
「キル・ビル」を見た時にも思ったけど、やっぱ復讐譚って面白い。ビバ復讐。
物語はアドリア海を発端に、後半は地中海を縦横に移動しながら進んでいくのですが、新しい土地に行くたびに、そこの土地柄や歴史の描画が入り、ちょっとした観光案内のような雰囲気があります。
こういうときに役に立つのが、google earthですよ。例えば、最初の舞台はトリエステですが、ここについては詳細な、家一軒一軒まではっきり見える衛星写真を、google earthで見ることができます。それを眺めながら、「サルカニーが伝書鳩を捕まえた丘は、このあたりかなぁ」とか想像するわけです。
他にも、ネットで土地の写真を探したり、歴史について調べたりすると、物語がさらに楽しめますね。さすがのジュール・ベルヌも、百数十年後にこんなことが出来るようになってるとは、思わなかったんじゃないかな。
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